9 樹上での巣箱カメラ装置の修理作業

 

 ・ヤマガラの巣箱は、中をモニターするカメラを設置できる構造に作っていますが、一旦

中にカメラを入れたあとは、カメラの調子が悪くなると、修理作業は木に登るしかあり

ません。

 ・鳥を驚かさないように、ヒナの部屋とカメラの部屋を分け、扉も別にしてあるので、

  作業は簡単なのですが、何せ必ず木には登らないといけません。

 

 ・巣箱は、校庭だけでなく、敷地からのびる菊水山への山道にも設定しました。

 ・山林の巣箱の観察は、パソコンを持っていって、現地で配線して巣箱の中を観察・録画

するので、カメラの修理となると、ちょっとした電気屋のおっちゃんが現場に出かけて

いくような気分になります。

 

・2014年の修理作業は、以下のような感じでした。                   
 ・これも立派な研究の一環としてのまとめだと思っています

 

 

○ 140411

 ・樹上での作業ではないが、カメラの電源を確保するためのバッテリーと電源コード(黒)との接触が悪かった。少し揺らすと映像が入ってくるので観察はできました。

 ・その時、菊水山巣箱は、すでにヤマガラが抱卵。卵は7つありました。

 

○ 140502

 ・カメラ不調。

 ・カメラ側からなぜかカメラのバッテリーの電源を切りにくるので、カメラの故障とみなしました。

 ・N君は、そこらへんの木に簡単に登れるので、修理作業員をかってでてくれました。頼もしい限りです。

 ・カメラの取り換えと、巣立ったあとの巣材の回収ができればと、木にのぼりを始めました。

すると、K君が横からすらすらと先に登っていって、N君は2番手(補助作業員)となり、黄金コンビの樹上班が結成されました。

 ・カメラを固定している木材が湿って動かないことから、カメラの取り換えはあきらめ、巣材の回収に専念することにしました。

 ・中にムカデでいて、みんなでキャーキャー言いながら、バットに入れた巣材を地上に降ろしました。(画像を貼る)

 ・地上班が、巣材を確かめると、コケ・テニスボールのフェルトのようなものがありました。

 ・観察している時に、地上班の誰かが叫びました。

・「卵が1つあります!」

 ・みんなで観察し、写真にとって、巣材(卵入り)は、巣箱に戻すことにしました。

  

 ・バットを木の上にあげて、樹上班がそっと巣材を戻し、ふたの鍵をしめて、ふた部分にテープもはりました。

 ・巣箱は少し上を向いているけれど、頑丈だったらしいので、ひもでの補強はなしでいけました。

 ・この時点では、卵は、次のカップルのものだと思っていたので、みんなわくわくしていました。

 ・予定していた山菜取りも中止して、急いで教室に戻ったスリリングな実習でした。

 ・でも、コケに埋もれた卵は、古い卵でありヒナがかえらないことを、私達は自らの後日の研究でつきとめることになります・・・。

 

 

  140509

・今度はトンカチを持って、菊水山の山道まで来ました。

・トンカチで叩いて、湿って膨らんだカメラの木材をはずし、入れ替えようというのです。

 ・黄金コンビのK君とN君が、木に登ってくれました。

 ・木の上でトンカチを叩いて、カメラの入れ替えを行いました。

 ・地上班がパソコンを確認しますが、相変わらず、カメラ側からバッテリーの電源を切りにきます。う〜ん、困った・・。

 ・咄嗟に、故障の原因を考えました。あとは、巣箱とパソコンをつなぐコードの断線としか考えられません。

 ・祈るような思いで、健全なコードをまるめて木の上にあげ、コードの入れ替えを試みました。

 ・すると・・・「巣箱の中、映りました!」

・地上班から、いい反応がありました。正常な状態に戻ったのです。

 ・何と途中の配線コードの調子が、悪かったようです。

 ・機器の管理も研究のひとつだと思い知った、出来事でした。