・ヤマガラの巣箱は、中をモニターするカメラを設置できる構造に作っていますが、一旦
中にカメラを入れたあとは、カメラの調子が悪くなると、修理作業は木に登るしかあり
ません。
・鳥を驚かさないように、ヒナの部屋とカメラの部屋を分け、扉も別にしてあるので、
作業は簡単なのですが、何せ必ず木には登らないといけません。
・巣箱は、校庭だけでなく、敷地からのびる菊水山への山道にも設定しました。
・山林の巣箱の観察は、パソコンを持っていって、現地で配線して巣箱の中を観察・録画
するので、カメラの修理となると、ちょっとした電気屋のおっちゃんが現場に出かけて
いくような気分になります。
・2014年の修理作業は、以下のような感じでした。
・これも立派な研究の一環としてのまとめだと思っています。
○ 140411
・樹上での作業ではないが、カメラの電源を確保するためのバッテリーと電源コード(黒)との接触が悪かった。少し揺らすと映像が入ってくるので観察はできました。
・その時、菊水山巣箱は、すでにヤマガラが抱卵。卵は7つありました。
○ 140502
・カメラ不調。
・カメラ側からなぜかカメラのバッテリーの電源を切りにくるので、カメラの故障とみなしました。
・N君は、そこらへんの木に簡単に登れるので、修理作業員をかってでてくれました。頼もしい限りです。
・カメラの取り換えと、巣立ったあとの巣材の回収ができればと、木にのぼりを始めました。
すると、K君が横からすらすらと先に登っていって、N君は2番手(補助作業員)となり、黄金コンビの樹上班が結成されました。
・カメラを固定している木材が湿って動かないことから、カメラの取り換えはあきらめ、巣材の回収に専念することにしました。
・中にムカデでいて、みんなでキャーキャー言いながら、バットに入れた巣材を地上に降ろしました。(画像を貼る)
・地上班が、巣材を確かめると、コケ・テニスボールのフェルトのようなものがありました。
・観察している時に、地上班の誰かが叫びました。
・「卵が1つあります!」
・みんなで観察し、写真にとって、巣材(卵入り)は、巣箱に戻すことにしました。
・バットを木の上にあげて、樹上班がそっと巣材を戻し、ふたの鍵をしめて、ふた部分にテープもはりました。
・巣箱は少し上を向いているけれど、頑丈だったらしいので、ひもでの補強はなしでいけました。
・この時点では、卵は、次のカップルのものだと思っていたので、みんなわくわくしていました。
・予定していた山菜取りも中止して、急いで教室に戻ったスリリングな実習でした。
・でも、コケに埋もれた卵は、古い卵でありヒナがかえらないことを、私達は自らの後日の研究でつきとめることになります・・・。
○ 140509
・今度はトンカチを持って、菊水山の山道まで来ました。
・トンカチで叩いて、湿って膨らんだカメラの木材をはずし、入れ替えようというのです。
・黄金コンビのK君とN君が、木に登ってくれました。
・木の上でトンカチを叩いて、カメラの入れ替えを行いました。
・地上班がパソコンを確認しますが、相変わらず、カメラ側からバッテリーの電源を切りにきます。う〜ん、困った・・。
・咄嗟に、故障の原因を考えました。あとは、巣箱とパソコンをつなぐコードの断線としか考えられません。
・祈るような思いで、健全なコードをまるめて木の上にあげ、コードの入れ替えを試みました。
・すると・・・「巣箱の中、映りました!」
・地上班から、いい反応がありました。正常な状態に戻ったのです。
・何と途中の配線コードの調子が、悪かったようです。
・機器の管理も研究のひとつだと思い知った、出来事でした。